しばらくして小結と猿がを引きずってきた。

あーあー、蛭魔が発砲するからビビってる。





さて、俺はどうしようかね。










恋符牒













「あのー、蛭魔先輩、私何も悪い事してないんですけど・・・」

「人手が足りねーんだよ、見てるだけなら手伝いやがれ」

「嫌です」

「ほう・・・・じゃあここで・前期成績発表といくか?」

「なんでそんなこと知ってるんですか!!」

「あー、ハッキング」

「!?」







アメフト部に入ってもう何度も見た蛭魔の脅迫現場。

予想通り絶句するに蛭魔がケケケと笑う。



「あーもー、だから練習なんて見たくないって言ったのに!」

「まぁまぁ、

「あんたのせいだ、このバカ猿!!」

「ウキャ!?」






あー、猿が殴られてるよ。

ってか、オマエいつの間に喧嘩強くなったの。






「わかりました・・・じゃあ今日だけ」

「YA−HA−!(今日だけにするつもりねーけどな)」

「おー!ちゃん、俺、黒木浩二!よろしくなー」

「まぁ今日だけだ、我慢しろよ。十文字だ。」

「んで、そこでジャンプ読んでんのが戸叶な。おい、トガ挨拶しろよ」





突然自己紹介始めた黒木が俺を呼んだ。

脈絡ないんだよ、お前は。俺にどうしろっての。




「どうも」




の顔も見ず、とりあえずそれだけ言ってまた視線をジャンプに戻す。

さっきからページが全然進まねぇ。

蛭魔、頼むから練習再開してくれ。






「あーごめんなーちゃん、アイツいっつもあんなだから」

「ううん、別に・・・・」

「おーし!糞マネはこいつ連れてけ!糞野郎共はポジション別練習だ!」






ガガガガ。

ある意味聞きなれた合図に腰を上げる。

まぁ・・・・・向こうから近づいてくることはなさそうだし?

このまま適当にやり過ごすか。



黒木がまだに話しかけてる。

いい加減気づけよ、バカ。そいつ同中おなちゅうだって。

十文字もなんで気付かないわけ・・・・まぁ、俺らまともに学校行ってなかったけど。






黒木との笑い声が聞こえる。

十文字も話に入ってるようだ。









の中で俺は、もう赤の他人なんだろう。

なら関わる必要はない。

今更どうなるわけでもない。

昔好きだった女、なんてフレーズ我ながら笑える。








「おい、お前ら早くしろ」





にへばりついてる黒木の首根っこ掴んで連れて行く。

バカがぎゃーぎゃー騒いでるけど気にしない。

ヤキモチ?冗談じゃない。

どうせこんな感情、練習に没頭してればすぐに忘れる。










漫画も小説も恋愛モノってのが一番苦手なんだよ、俺は。










現実はいつだって奇麗事じゃ片付かない。