「暑ィ!!」





死の行軍デスマーチを終えてホテルで爆睡。

目が覚めたら俺の上に猿とチビデブが乗っかって寝てやがった。


オイコラ。俺の上に乗っていいのはトガだけだっつの!!








キス













「おー、ラスベガスだ」






窓の外から見えるのは遊びの国ラスベガス。

朝だからネオンでギラギラってわけじゃねぇーけど、遊園地の中みたいで日本じゃ絶対ェ見れねぇ景色。

まさかアメフトやってラスベガスに来れるとは思わなかったぜ。

いや、実際此処に来るまでで死にそうだったけど。







「おい、カジノ行くからこれに着替えろってよ」

「おー、マジかよ!!すっげぇ!!」





十文字が服の山をごそごそ掻き回してあれこれ物色してる。

トガはもう選んだみたいで適当なシャツに着替えていた。

どこから調達したのか分かんねーけど、結構イケてる。

俺は黒いロンTを選んだ。ちょっとヒル魔みてーだな。





「ん?トガ何読んでんの」

「バットマン」

「さっそくアメコミかよ?おもしれー?」

「まぁまぁだな。コマが読みにくい」

「ふーん、じゃ、後で貸して」






用意されたルームサービスを腹に入れながら、携帯の電源を落す。

俺らの携帯なんて日本出たら当然圏外。

ま、連絡入れたい奴らは一緒にいるんだから必要ないっしょ。






「黒木、戸叶、俺ちょっと出てくるな」

「おー」

「セナなら猿と一緒に出て行ったぞ」

「うるせぇよ!!」




トガの言葉に顔を赤くしながら十文字が出てった。

チビデブも皆出たみたいで、部屋にはトガと二人だけ。

考えれば丸一ヶ月死の行軍してた訳だから二人きりってすげー久しぶり。


言い換えれば・・・・・ゴブサタ?








「なぁートガ」




ベットを背もたれにして床に座ってアメコミ読んでるトガの首に腕を回す。

ちょっとは動揺しろよ、つまんねぇの。二人っきりなんだぞ?




「トーガー」

「・・・・なんだ」





溜息まじりのトガの身体をゆさゆさ揺すぶって。

構って欲しいの、俺は。イチャツキてぇの、分かってんダロ?






「なぁ、トガー」

「黒木、揺らすな」




一向に顔を上げない。いつものことだけど漫画に夢中。俺は二の次。





「・・・・・・・・アメリカ野郎と浮気してやる」

「出来るもんならな。こっちの野郎は皆デケェぞ」

「うっ。そ、そんなんトガで慣れてるもんよ!!」

「ハッ、じゃあヤってみれば」





鼻で笑うトガ。

俺がトガ以外は受け付け無ェって知ってるから余裕の表情。

ああ、ホント、ムカついてきた!!





「トガは俺とヤりたくねぇのか!?」

「なんだ、溜まってんのか?」

「ったり前ェだろ!?一ヶ月キスもしてねぇんだぞ!!」

「ああ、そういやそうか」

「・・・・・トガは俺のこと愛してねぇの?」

「んなわけあるか、バカ」








やっとトガが振り向いて、ちゅーしてくれる。

最初はちょっと唇を舐めてから舌を入れんのがトガの癖。

でも今日の俺はそれさえもどかしくて、自分から唇に吸い付く。

ドサッとアメコミが床に落ちる音がした。

俺が漫画に買った瞬間。







「ん・・・・トガもっと・・・・」






息継ぎの為に離された唇が恋しくてまた噛り付く。

自分からトガの膝の上に乗って腰を擦り付けた。






「しょうがねぇ」







苦笑混じりのトガの息が俺の首元に降りてくる。

手が服の中に入って――――――・・・・・













「オラァ、糞次男・三男、何やってやがる!!集合時間過ぎてんだろーが!!」











・・・・くるはずが、悪魔の雄たけびと銃声のせいでぶち壊しになった。










「ななな、ヒル魔!??」

「あー?本当にナニしてやがったのか!?そんなにイチャつきたかったら、カジノでラブホテル代稼ぎやがれ、糞兄弟!!」

「・・・・・・またお預けだな、黒木」

「ハァアア!?くそ、こうなったら絶対ェ大儲けしてやる!!」











けど、結果は惨敗。

見事大勝ちしたヒル魔から服を取り戻してもらって全裸は免れたが、懐はすっからかん。









「結局全額スったな・・・・」

「ホ―テ―ル―代〜〜〜」

「別に俺は何処でも構わねぇぞ」

「外はヤダ」

「じゃあ・・・・これならどうだ」



そう言ったトガが指差したのはデビルバッツ号のトラックの荷台。




「ハァアア??何だよ?」

「トラック」

「見りゃ分かるっつの!!」

「外がイヤなんだろ?」

「この上でヤるつもりかよ!?つかこれ金と換えたんじゃねぇのかよ!」

「まだ金貸しが持ってってねぇんだろ。今のうちだ、乗れ」

「え、ちょっと待ってって!!」













その後二人を探しに来た十文字が見たものは。

トラックの荷台でいつも通り漫画を黙々と読む戸叶と、

アメリカの蚊は性質タチが悪ィと喚きながら全身を掻き毟る黒木。







「何やってたんだお前ら・・・・・」







つい口から出た言葉だが、その答えは敢えて聞きたくないと思った十文字だった。



















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77777HIT楼楼様リクエストの戸叶の気持ちを確かめたいけど直球でしか聞けない黒木。

死の行軍中ずっと黒木はヒル魔にホモ禁止令を出されて苛々してたに違いない。
トガちゃんはドライ(淡白)なので結構平気。でも一番嫉妬深いのは戸叶さん。
アメフト部には言ってないのに周知の事実(笑)さりげなく十セナですいません;;
実は両思いの戸黒初めて書いたんですが(笑)大丈夫かしら、うちの戸黒具合は(汗)

楼楼様リクありがとでしたーvこんなもんですが、受け取って下さいませv
魔女っこトガちゃん&メイド黒木と交換です(笑)